お城初心者のための「ふ~ん」ポイント解説

お城めぐり

日本の歴史を感じられる観光スポットのひとつに、「お城」がある。

大阪城や名古屋城、金沢城など人気の観光地にもお城は存在し、歴史に興味がなくても、旅先でお城を訪れるという方もいるだろう。

この記事では、お城初心者のための楽しみ方を解説していこうと思う。

本当なら、私の知っている知識をひけらかし「へぇ~」と思ってもらいたいところだが、更にハードルを低くし、「ふ~ん」くらいに感じてもらえればと思う。

ということで「ふ~ん」ポイントを3つに絞ってお伝えしよう。

ふ~ん① そもそもお城とは

お城といえば…

きっとこんなものをイメージする方も多いだろう。しかし、これ=お城ではない。

これは天守(天守閣)といい、お城を構成する建造物の一部にすぎない。ただ、この天守が一番見栄えが良く、そのお城の象徴的な意味合いをもつため、僕たちは天守=お城というイメージを持っている。

お城とは、

このような、石垣や池みたいに水が張ってある

お殿様の住居などがある御殿

小さい天守、みたいな(やぐら)

などを組み合わせた防御施設全体のことを「お城」というのである。

まずこの基礎知識に「ふ~ん」してほしい。

なので、あなたがお城を訪れた際、「お城が見えた!」は石垣や堀が見えた瞬間だし、「お城の中に入った!」は門をくぐった瞬間である。友人が「え、まだお城見えてないじゃん!」って言うものなら、あなたは胸を張って「もうここからがお城なんだよ!」と言ってほしい。

ちなみに…

金沢城には元々あった天守が今では無くなっていたり、仙台城ではそもそも天守が築かれなかったりと天守が存在しないお城もある。

しかし、石垣や門、櫓などは存在しているので立派な「お城」といえるのである。

もし友達が「〇〇城っていうのにお城ないよね…」って言うものなら、あなたは大声で「いや、天守がないだけだから!立派なお城だから!」と言ってほしい。

ふ~ん② あなたの「疲れたー」は、築城者の作戦通り?

お城に到着し、門をくぐったら向かう先はいよいよ天守。その頃にはすでに天守が見えているかもしれない。しかし、天守にたどり着くまでにきっとあなたは「遠いなー」とか「疲れたー」と思うだろう。

それもそのはず。

お城は敵に攻められた時、いかに守るか考え抜かれて造られた防御施設。そして天守はお城の中枢部。その中枢部までに様々な仕掛けを用いて敵を攻めづらくさせる。

あなたは城からすると敵であり、いつのまにか攻める側になっていたのだ。

坂が続く場合もあれば、急な階段を上らされる場合もある。遠回りさせられる場合もある。敷地が広いためにたくさん歩く場合もある。

そして疲れる。それは当時の城を攻めようとする人々も同じ気持ちで、城を造った築城者の作戦通りだったのだ。

そのような昔の人々との気持ちのシンクロが、お城をさらに楽しめるポイントになってくる。

ちなみに…

守りの仕掛けはそれだけでない。

先ほど紹介した櫓と門の組み合わせで、こんな形のものもある。

よく見ると2階部分に細い窓のようなものがあるのが分かるだろう。その中には人がいて隙間から鉄砲を出し、攻める側を撃つ。あなたは撃たれる。

またこのように、〇や△の穴があいた壁を張り巡らした城もある。

同じように、穴から鉄砲を出して敵を撃つ。あなたは撃たれる。

お城には、そのような守るための仕掛けがたくさんあるのだ。

あなたが天守にたどり着くまで、もう何度命を落としたか…。

最後のふ~んは、ちょっとレベルが上がるかもしれない。ふ~ん①②でも十分にお城を楽しむことができるだろう。もう少しふ~んが欲しい方は、最後のふ~ん③にお付き合い願いたい。

ふ~ん③ 建造物の古さを感じよう

お城内の建物は造られた当時から現存しているもの、再建されたもの、の2種類がある。

もちろん現存しているものは貴重である。

一瞬でいいから案内版を立ち止まって読み、その建物が現存しているものなのか再建されたものなのかを「ふ~ん」してもらいたい。

もしそれが現存しているものであれば、おそらく木材などがとんでなく年季が入っているだろう。

そこで「当時のお殿様もここ触ったのかな~」とか「300年前も同じ姿でこうして建ってたんだな~」と思いを馳せることをおすすめする。

そのような過去と現在を自分の中でシンクロさせることが、お城巡りにおいての醍醐味だと思う。

もちろん再建されたものだかといって価値のないというわけではない。再建もすごい。

発掘調査で昔はここにこんな建物があったな。とか、昔の絵図を見るとこんな形をしていなんだな。とか、当時はこんな技術で建てられたから同じやり方で再建しよう。とか。すごい人たちのすごい技術によって再建されている。

建造物を見た時、「これはいつ造られた」を気にすることが出来たら、あなたは素敵な「ふ~ん」を得られることだろう。

ちなみに…

天守で現存しているものは、全国で12しかない。

弘前城(青森)松本城(長野)丸岡城(福井)
犬山城(愛知)彦根城(滋賀)姫路城(兵庫)
松江城(島根)備中松山城(岡山)丸亀城(香川)
高知城(高知)伊予松山城(愛媛)宇和島城(愛媛)

もし上記にあるお城を訪れる機会がある時は、「天守が現存しているお城だ!」とぜひテンションを一段階上げてほしい。

そしてぜひ天守の中にも足を踏み入れてほしい。

天守内部も当時のままなので、階段はとても急だし、歩くとミシ、ミシときしむ音がする。

建物すべて木で造られているので、ぬくもりのある味わい深い匂いが落ち着く。

最上階からの眺めは絶景で、お殿様の気分を味わいながら町の景色を見下ろすことができる。

以上、初心者のための楽しみ方の参考として、3つの「ふ~ん」ポイントをお伝えしてきた。

日本にはかつて2万5000ほどのお城があったとされている。

現在でも城跡なども含めると、3000以上もの数があるともいう。

日本人にとって、ずっと身近な存在だったお城。

そこにお城が存在する限り、これからも歴史と現在をつなぐ架け橋になってくれるだろう。

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